最近やけに人が多くなった。
昼はあまり出歩かないのでよくわからないが、
なんでも7日ごとに
八幡堀
の川縁は人間たちで一杯らしい、おまけにバスとか言う車で
一気にたくさんの人間がやってくる。
自慢の
川
だから見ていってほしいが、
ビンや空き缶はちゃんと持って帰ってほしいものだ。
陽気がよくなってくると近くの里人が川の
草取り
をしてくれる。
子どもたちも先生に連れられてゴミ拾いに来てくれる。
親父のよく言う
「
昔
はこの川でよく泳いだもんだ。シジミまでいたんだぞ。」
なんて川になるのかなー、人間さまの努力がどれくらい効果があるか楽しみだ。
じじさまは若いとき
丸子舟
たら言うどでかい舟で湖北や瀬田まで薪の中に隠れて行ったそうだ。
ばばさまだって芸者衆に化けて、
伊崎寺さまの竿飛び
見物に、
新町の浜
から舟で行ったことがあるそうだ。
伊崎寺さまの和尚さまは、向かい江州の比叡山の偉い坊さまだそうで、
あぶなくばばさまの術が見破られそうになったとか。
今から考えると、
とても考えも及ばない事ばかりだ。
そうそうつい最近この川に
舟
を浮かべて半刻ほど
人を乗せているそうだ。
船頭の清じいならおれの術でも見破られないから、
一度親父のいっていた舟遊びでもしてみようかなと思っている。
長命寺川
西の湖この池がおれの遊び場だ。
池といっても「
西の湖
」という位だからとにかくでかい、
一昔前はひと様が
淡水真珠
をたくさんつくっていたけれど、
今はもうあまりつくっていないようだ。
ひとさまも飽きるのが早いんだなー。
おれの里から東にあるのに西の湖なんて
ひとさまも方向音痴だと思っていたら、むかしむかし偉いお殿様が住んでいなさった
安土
の里から西にあるからだそうだ。
おれの里にも偉いとの様が住んでいたそうで、猿親父の秀吉じじのねさまの
息子で
秀次
若殿さまというかただったらしい。
話がそれてしまったが、この池は長命寺川につながっていて、川上はそれはもう
きれいな水が湧き出している。
浅小井の庄
だ。
ここの里人はきれいな水を大事にしていて、
感じのいい公園を作ってくれた。いい水飲み場になって感謝している。
でも、この水飲み場にはきつねの
コン吉一家が住んでいる
森
が近くにあって
安心してゆっくり出来ないのがちょっと残念。
まあ、
ことしコン吉にもかわいい
子どもが出来たらしいから、術の冴えも少しは落ちるだろう。
さてさて、琵琶湖の
お水加減
・(
他に
)はどれぐらいかなー?